アクセスカウンタ

zoom RSS テーマ「純文学」のブログ記事

みんなの「純文学」ブログ

タイトル 日 時
「揩スしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ」 大江健三郎著(新潮社)
「揩スしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ」 大江健三郎著(新潮社) 大江健三郎氏の2007年11月に刊行された最新小説です。まず本の題名からして度肝を抜かれます。アナベル・リイとは、エドガー・アラン・ポーの詩のなかに出てくる永遠の美少女とのことです。この作品では、「ミヒャエル・コールハースの運命」という本を四国の山の中の大江ファンにはおなじみの「メイスケさん」伝承に置き換えたシナリオを大江氏の分身であるコギーが書き、サクラさんという国際的女優を主人公とした映画を作ろう、という話が語られます。そしてサクラさんが過去に撮影された「アナベル・リイ映画」で受けた精神的苦... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2008/12/20 11:42
ナラタージュ(島本理生著、角川書店)
ナラタージュ(島本理生著、角川書店) 女子大生工藤泉は両親がドイツに赴任していて東京で一人暮らし。高校では演劇部にいたが、大学ではクラブ活動もせずにいたところ、高校の演劇を手伝ってくれないか、と顧問の葉山先生から誘われ友達と一緒に参加することになります。泉は実は葉山先生が好きで、葉山先生も卒業式の後、泉にキスをしたという間柄です。二人の間はどのように進展いくのか、そしてやはり演劇を手伝うことになった他の大学の小野君も泉に積極アプローチしています。私としては、久しぶりに読んだ青春小説です。泉、葉山先生、小野君の関係は紆余曲折もあり、か... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2008/01/19 14:59
ミーナの行進(小川洋子著、中央公論新社)
ミーナの行進(小川洋子著、中央公論新社) 岡山の小学6年生朋子は母親と二人暮らしですが、母親が東京に勉強に行くことになり、兵庫県は芦屋の叔母のもとに引き取られ、芦屋の中学校に入学することになります。叔父は清涼飲料水の会社を経営しており、家は豪邸です。どのくらい豪邸かというと、なんとコビトカバがいて池で泳げるぐらいです。その家にはミーナという小学生の女の子がいます。ミーナは喘息持ちで病弱ですが、大変な読書家でなぜかマッチ箱を集めることが趣味です。二人の交友、淡い恋も交えながら静かにストーリーは進んでいきます。時代は70年代、そしてミュンヘ... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2007/11/10 09:11
秘花(瀬戸内寂聴著、新潮社)
秘花(瀬戸内寂聴著、新潮社) 能の世阿弥の生涯を描いた話題作です。世阿弥は能の大成者観阿弥の息子で、足利将軍の庇護を受け観世座として、興隆していくなかで成長していきます。観阿弥の死後、世阿弥の長男元雅は親ほどの才能はなく、養子元重の起こした新観世座にも押され衰退していきます。そして元雅は若くして殺され、世阿弥はさらに将軍家の怒りを買い、72歳で佐渡に島流しにあうことになります。世阿弥がその苦しい人生を振り返り、老いと向き合いながら、静かに生きていく姿が淡々と書かれています。随所に古文がでてきますので、全てを理解したとはいい難... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2007/10/28 15:24
アサッテの人(諏訪哲史 著、文芸春秋)
今年度上半期の芥川賞受賞作品です。諏訪氏は最近はテレビにも出演し、NHKBSの「週刊ブックレビュー」で見ましたが、細面に細身、ノースリーブのTシャツで出演していました。1969年生まれとのことですから38歳でしょうが、年齢よりかない若い感じですね。小説を書いていること自体を小説にしたという独特な形式をとっています。最初の出だし、主人公が叔父のアパートを訪ねていくところなどは、丁寧に書かれていますし、叔父が突然のように発する「ポンパッ」も「チリパッハ」も私は違和感はありませんでした。ただし、チュー... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2007/09/24 15:48
風味絶佳(山田詠美著、文藝春秋刊)
風味絶佳(山田詠美著、文藝春秋刊) 山田詠美さんの作品は初めて読みます。なにかとっつき難い感じがしていまして敬遠していましたが、大変評価が高く、谷崎潤一郎賞も受賞されたとのことで思い切って読んでみました。間食、夕餉、風味絶佳、海の庭、アトリエ、春眠という6つの短編からなる作品集です。大変わかりやすい文体でこれがまず予想外でした。そして作品も予想していたような尖ったものでもなく、どちらかといえばしみじみとした内容です。個人的に好きな作品は「海の庭」です。離婚した母親と娘が実家に帰るのですが、その引越しのために来た業者は母親のおさなな... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2007/06/03 19:05
M/Tと森のフシギの物語(大江健三郎著、講談社文庫)
M/Tと森のフシギの物語(大江健三郎著、講談社文庫) この何とも不思議な題名の本が岩波書店から単行本として出版されていたことは知っていましたが、入手しにくく読んだことはありませんでした。今年初めに講談社文庫として出版されましたので読んでみました。読者はまずM/Tとは一体何だろうと思うわけですが、大江さんも序章で説明しています。「Mを英語のmatriarch(母系制)の略語として、僕は使っています」とのこと、作中ではオシコメという大醜女です。Tとは男性でやはり作中では亀井銘助とのことです。M/Tで女性と男性を象徴しているようです。ただし、このMとTは... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2007/03/05 18:57
ひとり日和(青山七恵著、文藝春秋2007年3月号)
今話題の作品です。第136回芥川賞をほとんど満票でとり、更にあの石原都知事が絶賛しているということで一体どのような小説なのだろうと思い、文春発売日に買って読んでみました。主人公はフリーターで21歳の埼玉に住んでいた「知寿」という女性ですが、母親が中国に仕事ででかけてしまったので、東京郊外に一人暮らしをしていた親戚のおばあさんの家に同居することになります。そこから、おばあさんとの共同生活がはじまるわけですが、主人公の感情の動き、心理状態を丁寧に書き綴った小説です。確かにわかりやすい、無駄のない文章... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

2007/02/17 16:33
細雪 上・中・下巻(谷崎潤一郎著、新潮文庫)
細雪 上・中・下巻(谷崎潤一郎著、新潮文庫) 大阪商人として栄華を誇り、没落してきたとはいえ、まだまだ裕福な蒔岡家の4姉妹を中心とした話です。時代は昭和11年から16年ぐらいですので、そろそろ戦争の暗い影が漂ってきます。長女鶴子は銀行員の辰雄を婿にとり、途中からは大阪から東京に夫の転勤で引っ越します。次女幸子も貞之助を婿にとり芦屋に住んでいますが、そこに三女雪子、四女妙子が一緒に住んでいます。話の中心は引っ込み思案でいかにもお嬢さんと言う感じの雪子の見合いが中心ですが、そこに対照的に自由奔放な「こいさん」である妙子が絡んで物語は進んでいきま... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2006/09/03 11:45
ニシノユキヒコの恋と冒険(川上弘美著、新潮社刊)
ニシノユキヒコの恋と冒険(川上弘美著、新潮社刊) 川上弘美さんが2003年11月に刊行した連作集です。全部で10篇からなる恋愛小説です。女性はそれぞれ違う名前なのですが、男性はあるときはニシノユキヒコまたあるときは西野幸彦という読み方は同じですが全くの別人です。ただし、このニシノユキヒコたちには女性にもてる男のようなのですが、なぜかクールというか淡白というか本当には人を愛せない人物という共通項があって、女主人公は最後には離れていってしまいます。「恋と冒険」ということですが、恋はたしかに書いてありますが、冒険はどうでしょうか。もちろん読む人の感性... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2006/08/27 15:04
八月の路上に捨てる(伊藤たかみ著、文藝春秋2006年9月特別号)
八月の路上に捨てる(伊藤たかみ著、文藝春秋2006年9月特別号) 文春今月号を買って、第135回芥川賞受賞作「八月の路上に捨てる」を読んでみました。脚本家を目指していますが、生活ができないため30歳過ぎになるのに、自動販売機の商品補充のアルバイトをしている主人公「敦」、敦と商品補充をやっているトラックの女性ドライバー「水城さん」、敦の妻「知恵子」の3人が登場人物です。敦と水城さんは8月の蒸し暑い日、新宿で2トントラックに乗り自動販売機の商品を配ります。水城さんはこの日でトラックを降り、事務の仕事に移る最後の日ですが、敦に「ところであんた、いつ離婚するの」とたず... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2006/08/16 18:48
ブラフマンの埋葬(小川洋子著、講談社)
ブラフマンの埋葬(小川洋子著、講談社) 「夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。」で物語は始まります。ブラフマンは小動物です。「かわうそ」のようでもありますが、架空の動物のようです。僕は「創作者の家」の管理人で、ブラフマンとの生活が淡々とはじまります。主な登場人物は墓に碑文を彫る彫刻師、そして少女。特にこれといった話があるのではないけれど、小説の世界に知らず知らずのうちに入り込んでいました。それにしても小川さんの小説のこの「静寂さ」は何でしょうか。「博士の愛した数式」でも静寂を感じましたが、この小説も心静まる小説です。2... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

2006/05/17 23:39
こぶしの上のダルマ(南木佳士著、文芸春秋)
こぶしの上のダルマ(南木佳士著、文芸春秋) 本の題名となっている作品を初めとして8作からなる短編集です。それぞれは、独立した内容となっておりますが、医者として勤務している信州の佐久、生家のある群馬の山村が舞台として共通しており、一貫したテーマについて書かれているように思われます。ひどいうつ病としてあらわれてくる医者としての苦悩、父との葛藤、山村の老人へのいたわり、そして病気を克服するために始めた山登りでの自然とのふれあい、身の周りの出来事を淡々とつづっています。それぞれの短編は重くやや暗い内容ではありますが、その中では「稲作問答」がやや異... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2006/05/07 10:25
さようなら、私の本よ!(大江健三郎著、講談社)
さようなら、私の本よ!(大江健三郎著、講談社) 本著は昨年9月刊行、大江氏の最新作ですが遅ればせながら読んでみました。「取り替え子」、「憂い顔の童子」に続く3部作の3作目となっていますので、前2作を読んでいないとストーリーがわかりません。大江氏自身とみられる主人公、長江古義人は前作で機動隊に扮した者たちの暴行を受け入院しているところからストーリーが始まります。椿繁なる古義人とは松山時代からの知り合いで建築家が、米国から日本に帰ってきて北軽井沢の別荘で隣同士で暮らし始めます。繁は若者を連れてきて、東京で高層ビルを爆破するテロを起こすことを計画、... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2006/05/04 10:29
古道具 中野商店(川上弘美著、新潮社)
古道具 中野商店(川上弘美著、新潮社) 本の題名に惹かれて読んでみました。中野さんが経営する古道具屋、中野商店の女性店員、ヒトミちゃんが主人公。同じ店員にタケオがいます。このタケオは小指が第1関節からなくわけありの様子です。ヒトミちゃんとタケオは次第に付き合い始めますが、なんとなく微妙な関係です。中野さんも妻がいながら、同業者の美人と付き合っています。この古道具屋を舞台とした12の短編ですが、全体としてもストーリーがあります。とにかく話はゆっくりとゆっくりと進んでいき、やや退屈な感もあります。そのゆっくりと時が流れるところが作者のねら... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2006/04/24 22:23

トップへ | みんなの「純文学」ブログ

本のダイアリー 純文学のテーマ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる